生き生きとした言語感覚を一瞬で殺してしまう殺”言”犯になってはいないか

 

 

 

2通りの表現方法があったときに、

それがイコールで結ばれていたとしたら、一体どっちを選べばいいのだろうか?

 

 

もし仮に will = be going to だったとしたら、「明日、電話します。」と言いたい時に

 

 

A) I will call you tomorrow.

 

 

 

B) I am going to call you tomorrow.

 

 

のどちらを選べばいいのだろうか?

 

 

 

いくら悩んだって、判断のしようがないことは分かるはずだ。

 

 

 

なにしろ、イコールなのだから。

 

 

 

勘や気分などでどちらかを「えいやっ」と選ぶことしかできない。

 

 

 

私が中高時代に受けてきた英語の授業では、

言葉をイコールで結んで覚えるやり方がまかり通っていた。

 

 

たとえば、

 

 

see = look at

 

 

 

 

 

 

He hit me.  = I was hit by him.

 

 

つまり、能動態 = 受動態

 

 

 

 

このやり方。

 

 

 

確かに効率的で、実際英会話で役立つことも多いだろう。

 

 

 

 

しかし、気をつけていただきたいことは、

言葉同士にイコール(=)はあり得ないということだ。

 

 

 

当記事のタイトルにもあるように、ある言葉にはその言葉だけのもつ感覚があり、

違う言葉同士をイコールでつなげてしまうと、

その生き生きとした言語感覚を殺すことになってしまうのだ。

 

 

英語を日本語に訳すという行為を、

学校で散々やらされてきたと思うが、

実は、この「訳す」という行為。

 

 

場合によっては、違う言葉や文章同士を

同じ日本語で一緒くたに括ってしまうリスクがあり、

大変危険な行為と言える。

 

 

 

この説明だけだと、腑に落ちない人もいると思うので、

イコールではない実例を見ていくことにする。

 

 

 

see = look at

 

 

日本語だと同じ「見る」に関する動詞だが、

言葉が違う以上、その意味も当然違う。

 

 

 

look at というのは「視線をやる」ことを意味するので、

視線をやった先の場所(≒視点)を表現する。

 

 

I looked at the burglar.       (私はその泥棒を見た。)

 

 

 

泥棒に目をやったということ。

 

 

それに対して see の場合には、

基本的に「(視界に入ることにより)見える」ことを意味する。

 

 

 

I saw a burglar.   (泥棒を見かけました。)

 

 

また、両者の構文を考えてみても面白い。

 

 

seeは「見えた」ものを目的語に取る他動詞だが、

lookの場合には自動詞であり、対象を表わす場合には前置詞を必要とする。

 

 

seeの方は目的語に取るわけだから、100%見えている。

 

 

 

それに対して、lookの場合には、

あくまでも視線をやるだけであり、必ずしも見えるとは限らない。

 

 

 

I looked at him, but I couldn’t see his face because of the bright light.  (彼に目をやったが、まぶしい光のために彼の顔は見えなかった。)

 

 

動詞が目的語をとる場合と動詞だけで自己完結する場合の違いについて

この記事で詳しく説明したので、参考にしてほしい。

 

“The police searched him.” という英語を誤解しないために押さえておくべき2つの大原則

 

 

 

能動態 = 受動態

 

 

 

次に能動態=受動態という書き換えについて。

 

 

 

あなたは、以下のような書き換えをさせられたことはないだろうか?

 

 

He hit me. = I was hit by him.

 

 

先ほどと同じ例で恐縮だが、

能動態も受動態も、どちらも同じ出来事を表わしている。

 

 

 

しかし、表現が異なる以上、意味合いも当然異なる。

 

 

 

この場合、どこに焦点を当てるかが異なってくるのだ。

 

 

 

まず前提として、英語では能動態を使うことが普通だ。

 

 

 

それに対して受動態であれば、主語(元々目的語であったもの)に焦点を当てる。

 

 

 

He hit me . 

 

 

I was hit by him.

 

 

目的語meが主語Iとなって、焦点が当てられている。

 

 

つまり、I の被害を強調するとか、もしくは動作主(by以下、つまり元々の主語)をぼかす役割もある。

(動作主が分からない場合もある。)

 

 

 

その結果、受動態を使うほとんどのケース(8割以上)では by 以下は省略される。

 

 

 

だから I was hit by him. のように言うことは滅多にない。

 

 

 

その場合には受動態にするまでもなく、He hit me.で済んでしまうからだ。

 

 

 

例えば

 

 

I was hit in the face.   (顔を殴られました。)

 

 

 

などのように言うのであれば、受動態を使う意義が出てくる。

 

 

 

他にもいくつか例を出しておく。

 

 

裁判で弁護士が

 

 

Objection, Your Honor!  (異議あり!)

 

 

と言ったとしたら、裁判長は次のように答える。

 

 

Sustained.   (意義を認めます。)

 

 

 

Overruled.   (却下します。)

 

 

 

さてこの場合、認めたり却下したりしているのは裁判長(個人)なのだろうか、

それとも裁判所なのだろうか?

 

 

 

・・というのがわからないから、英語だと受け身で表現するわけだ。

 

 

 

日本語だと主語が省略できるので、受け身にする必要性がない。

 

 

The airplane was delayed for about 20 minutes because of the bad weather.   (その飛行機は悪天候により約20分遅れた。)

 

 

のような言い方をしたとする。

 

 

遅れた原因は悪天候だろうか?

それとも悪天候に負けたパイロットが悪いのだろうか?

 

 

______________

 

 

英会話などの場面で、will=be going to などの自分ルールを作り、

英語の運用スキルを上げていく自体に何ら問題はない。

 

 

 

しかし、本日みたように、違った言葉には、それぞれ違う理由があり、

言葉にはそれぞれ生き生きとした言語感覚が存在していることは覚えておいてほしい。

 

 

 

英語を読んでいて、どうしてそういう言葉が使われているのか、

その背景となる事情を探求していくことで、

より質の濃いインプットも可能となる。

 

 

 

同じことが日本語にも言える。

 

 

小説などには、多様な表現が盛り込まれているが、

私は、気に入った表現があれば、どんどん自分の言葉として使ってみるようにしている。

 

 

どうしてそのような言葉が使われているのか、

結局その言葉でしか表現できない想いが込められているからだと言える。

 

 

受験英語を卒業した社会人ならば、

そのような言い手の想いをしっかり受け止め、そしてしっかり投げ返すための器が必要になるだろう。

 

 


b9
 

 

 

 

 

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句動詞put on の使い方から暴く社会人向け英語学習の例

 

 

 

英語では、服を「着る」ことも、ズボンを「履く」ことも、帽子を「かぶる」ことも、指輪を「はめる」ことも、

全てput on で表現する。
そのことについては、

 

「へー、そうなんだ」と思う方、

 

全部put onで済むのは楽だと思う方、

 

日本語と違うことに違和感を感じる方、

 

色々いるだろう。

 

 

だが、よく考えてみてほしい。

 

 

どうして、こんなことが起こるのか?
英語と日本語の間のこの奇妙な関係にこそ、

英語の考え方と日本語の考え方とを根本から分けると言ってもよい、

極めて重要なポイントが潜んでいる。

 

 

 

 

動作によって動詞が変わる

 

 

その重要なポイントというのが、動詞の使い分けだ。
日本語では、シャツなら「着る」、ズボンなら「履く」などのように対象によって言葉が変わるが、

英語であればシャツであってもズボンであっても何でも put on で表現できてしまう。

 
まず、日本語の場合には、体の部位(=物と物との関係)によって言葉が変わる。

 
体(上半身)に身に付ける場合には「着る」、

足の場合には「履く」、

頭の場合には「かぶる」のように。

 
では例えば、

大人が子供用の小さなTシャツを、頭に身に付けたとしたら・・・

 
「Tシャツを頭にかぶる」になる。

 

 

「頭に着る」というような言い方はせず、動詞が変わる。

 
では英語の場合にはどうなるだろうか。
「Tシャツを着る」ことは   put on a T-shirt
「ズボンを履く」ことは    put on some trousers
「帽子をかぶる」ことは    put on a cap/hat

 
では、先ほどのように「頭にTシャツをかぶる」というのを英語でどういうかと言えば
put a T-shirt on the head

 

になる。

 
the head というのが増えはしたが、

put on を使うことには全く変わりがない。

 

 

 

では、put on 以外の動詞を使わないのかと言えば、

そんなことは決してない。

 
一番普通の表現は put on だが、それ以外の言い方も可能なのだ。
用例をいくつか紹介する。

 
John quickly pulled on his sneakers.     (ジョンは急いでスニーカーを履いた。)

 

 
She slipped on her favorite T-shirt.   (彼女はお気に入りのTシャツを着た。)

 

 
I threw on my jacket over my nightgown.   (私は寝巻きの上にジャケットを羽織った。)

 

 
このように、「着る」ことを意味するためには put だけではなく、

pull や slip、throw など様々な動詞が実は使われる。

 

 

 

動詞が変わることで何が違うかと言うと、その動き自体が違う ということなのだ。

 

 
put の場合には、「どこかに置く・位置させる」という意味合いだから、

「体に接触した状態に位置させる」ということから「着る」ことを表わす一番普通の表現になる。

 

 
John quickly pulled on his sneakers.

 

 
のように pull という動詞を使えば、「引っ張る」ということニュアンスが出るから、

衣服などをグッと引っ張る、その「ちょっと苦労する感じ」や「力の入れ様」が表現される。

 

 
She slipped on her favorite t-shirt.

 
slip というのは「滑る」ことだから、

slip を使えば「スッと身に付ける」ような滑らかな動きが表現される。

 

 

 

I threw on my jacket over my nightgown.

 
throw は「投げる」ことだから、

バッと上着を羽織るような、そんな動きをイメージしてほしい。

 
いかがだろうか。

 
「着る」ということを1つ表わすにも、

 

 

動きが違うと動詞が変わってくる

 

 

それが英語の考え方である。

 

 

b6
最後に、分かりやすい例をもう一つ。

 

 

「彼はブーツを履き、手袋をして出て行った」 と言いたいとする。

 

 
He put on his boots and his gloves, and he was gone.

 

 
というのが put on を使った普通の言い方だ。

 
だがそれを、以下のように言うと、

目に浮かぶ映像が大きく違ってくるはずだ。

 
He pulled on his boots and slipped on his gloves, and he was gone.

 

 

本日紹介した

 

 

 「動作によって、動詞は変わる」

 

 

このような理屈を理解したうえで、さまざまな用例に触れていく。

 

 

感覚で理解していく英語学習

インプットの質が違えば、当然アウトプットの質も変わってくる。

 

 

社会人英語学習は、【理屈→応用】の繰り返しだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

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リスニングスキルを確実にアップさせるための正しいディクテーション3条件

 

英会話の双璧を成すスピーキングリスニング

あなたは、どちらを得意とするだろうか。

 

 

 

 

一般的にスピーキングという声が多いと思うが、

私の周りを聞いても、案の定、リスニングを苦手とする人が圧倒的に多い。

 

 

日本語にはない、あの英語独特の「スピード感」についていけなくて、困っている人が多いようだ。

 

 

「スピード感」と一言で表現してしまったが、

英語が速いと感じてしまう背景を突き詰めて考えていくと、

日本人にとって、宿命的とも言える2つの事情が見えてくる。

 

 

すなわち、

 

 

一、英語の言語としての性質

 

 

 

一、英語は、話してナンボの言語

 

 

英語の言語としての特質

 

 

 

英語は、 強勢拍言語といって、

意味のまとまりごとに一つの音節(アクセント)を置く。

 

 

 

以下の2つの文章は、互いに異なる単語数だが、話す時間は同じである。

 

 

The birds will eat the worms.

 
Birds eat worms.

 
一方、日本語の場合は、各音節一つ一つに同じ時間をかける音節拍言語という性質のため、

文字数が倍になれば、かける時間も倍になる。

 

 

上の例を日本語に訳すと、

 

 

そのとりたちはそのむしたちをたべるだろう (20文字)

 

 

 

とりはむしをたべる (9文字)

 

 

 

日本人ならお分かりいただけると思うが、文字数に倍以上の開きあるので、話す時間も倍以上かかる。

 

 

 

英語と日本語、この2つの言語には以上のような生来的な違いがあるため、

日本語を母国語とする日本人にとっては、英語がどうしても早く聞こえてしまうのだ。

 

 

 

英語は、話してナンボの言語

 

 

 

こちらの事情は、英語そのものに起因するというより

英語圏の文化から生まれた要因だ。

 

 

日本語文化では、行間を読む、空気を読むといった風習や行動習慣が少なからず定着しているが、

英語には、基本的にそのようなモノはない。

 

 

黙っていたら、怪しまれて、相手にされないだけだ。

 

 

とにかく自分が言いたいことを言って、相手が言っていることを聞いて、

言葉をやりとりしていかなくちゃいけない。

 

 

 

話されている英語についていけず、まごまごしていると、

怒涛の言葉攻め」を食らうはめになる。

 

 

 

洋画や欧米のニュースなどを見ていたら、

この「言葉攻め」のニュアンスがなんとなくわかるはずだ。

 

________________

 

 

日本人が英語の聴き取りを苦手とする背景には、

以上の2つの要因が大きいと考えているがいかがだろうか。

 

 

どちらも、日本人にとっては避けては通れない壁である。

 

 

対応策

 

 

そこで、我々日本人が取るべき対策として、

私が勧める手段を紹介する。

 

 

まず、2点目の文化に帰属する原因については、

とにかく積極的に「意思表示」していくしかない。

 

 

英語でのディスカッションについていけるように、

なんでもいいから、とにかく反応することが打開策となる。

 

 

この場合、必ずしも言葉に頼る必要はない。

 

 

 

そして、本稿のメインとなる1点目の言語の性質からくる障害への対応策を紹介したい。

 

 

 

先ほど、強勢拍言語の説明のために2つの英文を提示したが、

実は、強勢拍言語だからという理由で、話すスピードが変化するわけではない。

 

 

 

日本人にとって、速く聞こえてしまう原因の本当の正体は、

英文のもつ「ウネリ」にある。

 

 

 

ウネリ、すなわち「リズム」のことだ。

 

 

リズムを敢えて図にしてみると、

 

 

英文 リズム

 

 

 

英文リズム

 

 

 

このウネリによって、産み出される音の強弱、長短、高低というリズムの影響で、

どうしても聴き取りにくい部分が出てきてしまう。

 

 

 

この聴き取りにくい部分を、いかにして汲み取っていくか

 

 

 

ここがポイントだ。

 

 

汲み取り方の具体的方法として、

 

 

 

量をこなしていく、つまり多聴することで、

英文のウネリとリズムにカラダで慣れていくというアプローチ

 

 

 

 

音声識別力をつけるために聴き取りの質に拘っていくというアプローチ

 

 

の2つがある。

 

 

以下では、後者のアプローチにフォーカスして、

その最たる訓練法であるディクテーションの正しい実施方法を解説する。

 

 

 

もっとも効果を発揮するディクテーションの3条件

 

 

 

ディクテーションは、英和辞典を引いても、「書き取り」とだけしか載っていないが、

ただ漫然と聴いた音声を書き取っていくだけでは、その恩恵は十分に得られない。

 

 

 

外してはいけない条件が3つある。

 

 

 

一、意味は考えない

 

 

聴いた音を正確に文字に落とし込むため、聴いた音の意味を考えないようにしよう。

 

 

なぜなら、意味を考えてしまうと、先入観のために曲解してしまう恐れが出てくるからだ。

 

 

人である以上、どうしても知っている単語と結びつけて考えてしまうものだ。

 

 

しかし、これをやってしまうと、間違った単語と紐づけてしまうリスクが生じる。

 

 

そのリスクを極力押さえるため、

正確な単語と紐づける努力をするのでなく、

聴いた音の意味を考えない努力をするべきだ。

 

 

だから、まず音を文字に落とし込む訓練が有効なのだ。

 

 

正確に落とし込むスキルが十分ついた段階で、

音を直接、意味に結びつける回路を開通しよう。

 

ディクテーション

 

たとえば、下の音声を聞いてみてほしい。

 

 

 

音声

 

意味を考えてしまうと、間違う恐れが高くなるので注意だ。

 

 

正解は、本稿の最後尾を参照してほしい。

 

 

 

一、どうしても文字に落とし込めない部分はカタカナでかいておく。

 

 

自分が納得するまでテキストを見ずに、何回も聴くことをお勧めする。

 

 

こうすることで自分の弱点となる音声が浮き彫りになる。

 

 

テキストを見てしまうと、耳への集中が甘くなり、

自分の弱点が把握できない。

 

 

例えば、夫が新聞を読みながら、同時に妻の話を真剣に聞く、

なんてことはあり得ないだろう。せいぜい「うん、うん」と空返事しながら聞くのが関の山だ。

 

 

 

ディクテーションの時は、とにかく感覚を研ぎ澄まして、

耳に意識を持っていくようにし、場合によっては、目を閉じてしまってもよいだろう。

 

 

トランスクリプトで毎回確認する

 

 

書き留めた英文を放置せずに、

毎回、トランスクリプトで確認するようにしよう。

 

 

自分の理解がどの程度正確だったかを掴むことができる。

 

 

そして、トランスクリプトを確保していない状態で、

ディクテーションをやるのは、控えるようにしよう。

 

 

貴重な時間が無駄になるおそれがある。

 

 

トランスクリプトで確認し、聴き取れない部分が明確になったら、

その部分の仕組みを、発音記号と紐づけながら、理解していくと良い。

 

 

これは、同時に美しい発音を手にする訓練にもつながる。

 

_________

 

本稿では、リスニングスキルをアップさせる方法の一つとして、

ディクテーションの基本を解説した。

 

 

ディクテーションの題材で困ったら、下記のサイトを参考にするとよいだろう。

 

 

 

リスニングプラザ

→ http://www.listening-plaza.com/

 

 

 

かなり骨太なサイトで、ディクテ用の題材が難易度別に入手できる。

 
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